第49回Next Retail Labフォーラム

パネルディスカッション:「メタバースとリテールの未来」

 

青山学院大学経営学部経営学科 

3年大根原芽衣

 

今回第2部の「メタバースとリテールの未来」のご講演から参加させて頂きました。まず、株式会社三越伊勢丹 デジタル事業運営部 レヴワールズマネージャーをされている仲田 朝彦ご講演でした。

ご講演内容は、バーチャル伊勢丹のイメージとそのサービス概要についてでした。

仲田さんは、2008年に株式会社伊勢丹に入社、しかし入社して3か月後にちょうどリーマンショックが起こり、当時のフォーマル売り場はガラガラの状態であったそうです。しかしその年は、iPhoneが発表された年でもありiPhoneのプレゼンを見て、いつかネット上にバーチャル伊勢丹を建てたい!と思い、メタバースの領域に踏み込みました。

仲田さんが作りたいメタバース空間とは、メタバース空間上でお客様が買い物をできたり、いろいろな場所に出かけられたりする一方、自分だけの空間も大切にするような、そんなサービスです

メタバースは、決してスマートなサービスではなく、手間がとてもかかるところがメタバースの面白さであるのです。例えば、誰とも会話することなく、孤独に画面に向き合い、ただ価値を比べ、顔の見えないレビューに頭を悩ませて決済に進むECでのショッピング。果たしてそれがショッピングの価値と言えるのだろうか?ECショッピングにも温もりや豊かさを提供するのが三越伊勢丹の役割であるのではないか?と考え、誰かと使えるようなサービスを生み出したい、と仰いました。

 

次に、株式会社ビームス取締役 株式会社ビームスクリエイティブ代表取締役社長 池内 光様のご講演でした。

ご講演内容は、株式会社ビームスのバーチャル接客サービスの取り組みについてでした。

株式会社ビームスではこのコロナ禍で自宅にいながら実際の店頭のスタッフから接客を受けることができます。バーチャル接客でもリアルに接客することができ、そんな中で商品を見て商品のアドバイスもいただけたのだそうです。

 

次に株式会社ジェイアール東日本企画の松本様のご講演でした。

ご講演内容は、「バーチャル秋葉原」についてで、実際にバーチャル秋葉原の空間の中でアバターを動かしてご説明してくださいました。

空間は実際のJR秋葉原駅がかなり詳細に再現されており、JR東日本のステーションズ構造を元に作成しており、世界初のメタバースステーションとなっています。JR東日本ではリアル空間でのプレゼンテーションを得意としており、この「バーチャル秋葉原」の立ち上げの際には、実際の秋葉原駅にもバーチャル空間でのゲートのようなものを用意し、この空間への導入となるQRコードを設置することで、たまたま駅を通りがかった人やメタバースに詳しくない人にも知っていただけるような取り組みをしておりました。これを「メタバースの可視化」と呼んでいます。

 

今回、三社の企業の方からメタバースについてのお話を聞き、百貨店、アパレル、鉄道会社と、全く別の企業がメタバースに注目していることを知り、メタバースについてとても興味を持ちました。私は今まで、メタバースとは「ゲーム」の中での空間でしかなく、小売業などに用いるとは思ったことがなかったのですが、これからはビジネスに大いに役立つ要素となることを実感しました。そしてこれからではなく、もうまさに今使われておりさらには現実の空間よりも出来ることが増えていくことがわかりました。

 

講演参加に至り、講演者の仲田様池内様、松本様、また運営関係者の各様に感謝申し上げ、報告レポートと致します。

“新しい時代の経営”を伴走します|青山Hicon

いま、時代が大きく変わる潮目にあります。
マスからネットへとメディアの主役が変わり、情報の流れが変わりました。AIやロボットは進化を続け、言語の壁や距離の遠さを越えてコミュニケーションができるようになりました。商品やサービスの企画、市場の設定、プロモーション戦略、何もかもがかつての経営論では太刀打ちできません。

この時代の経営者は、「グローバルな視点」と「文化」を軸にした戦略が必要と言えるでしょう。よろしければ私達と一緒に始めてみませんか。

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