56Next Retail Labフォーラム/次世代マーケティングプラットフォーム研究会 NMPLAB 共催

 

「オンライン!WEB 3・メタバース・NFTとマーケティング/リテール」

 

2023年222日(水) 18302100

 

青山学院大学 経営学部経営学科

大根原芽衣

 

今回は、次世代マーケティングプラットフォーム研究会 NMPLABとの共催で行われたご講演で、5名のパネリストの方が登壇されました。ご講演は以下のような内容でした。

 

 

・株式会社HIKKY 取締役COO CQO・クリエイティブディレクター さわえみか 様

株式会社HIKKYは、2017年末からメタバース空間での活動を開始し、誰もが持つクリエイティビティの価値が幅広く認められる世の中を創り出し、最も魅力的なバーチャル世界とアクセスを提供する会社です。全人類がバーチャル空間に入るきっかけづくりを目指しています。チームの方々は、それぞれアバターを持ち、自分たちのクリエイティビティを発揮する形を取っています。

バーチャルマーケットというメタバース上の3Dのイベントを開催しており、世界最大のVRイベントで世界から70社の企業、一般の540サークルが出展し、それぞれが作った3Dモデルの販売を行っています。ユーザーと企業側で会場を分けて作られていて、そこには現実と非現実両方を体感するという理由があるそうです。

2023年夏にはリアルとVR空間をマッチさせたイベントも開催予定となっています。

メタバースになかなか入れない人も簡単に入ることができるツールの開発に取り組んでいます。

 

 

・電通 事業共創局プロジェクト推進部ゼネラル・マネージャー(コミュニティ開発部ゼネラル・マネージャー) 深谷尚史 様

Web3 clubという電通グループのグループ横断組織を発足し、グループ全体を横断した多部署が参画した組織を組むことによって顧客の抱える各種課題に対応しています。

深谷様は、テクノロジーの進化以外にも現代社会に起きている大きな変化として4つを述べていました。以下4つの変化に挙げられます。

1.マーケティングの変化

2.クリエイターの変化

3.メディアの変化

4.デジタルエコノミーの拡大

この中でも、1つの事例としてデジタルエコノミーで地域活性化に取り組んだことがあり、青森県ねぶた祭で「まとめ髪で夏祭りに行こう!」というメッセージで、「柚子水」のTVCMをアレンジしたねぶたを制作するなどのプロモーションを行いました。ねぶたは大型の作品である一方、作ったら破棄される運命にあるため、ブロックチェーン技術を活用したNFTを活用して、作品を記録に残すことを考えたそうです。NFTの実施に当たっては、株式会社TARTの代表取締役である高瀬俊明様に相談し、さまざまなアーティストの方とNFT作品の制作に当たられました。

この制作に当たってねぶた師の方の今までの常識では、作ったものを壊すという事であったのですが、絵に対するこだわりは残しつつ、新たな常識へと挑戦する必要があるということをおっしゃっていて、そこに対してのNFT作品がうまく活用できていると感じました。

 

 

Donuts 経営企画室 プロジェクトマネージャー 竹内一博

Donutsは、toCビジネスとしては動画・ライブ配信事業、ゲーム事業、出版メディア、toBビジネスとしてはクラウドサービス事業から医療事業までを行っています。グループ会社で見るとより多くの事業に取り組んでいます。

一事例として「ときめきVR」というものがあります。これは、ファンが推しのVTuber11でおしゃべりできるXRプラットフォームで、VR上でアイドルの握手会や通話をすることができるというサービスです。webRTCという技術を使ってVTuberとファンを接続し、サーバを介していないため、記録が残らないという特徴があります。今後は360度カメラで撮影した実写映像をリアルタイムで送信、VR空間にそのまま再現するというサービスに取り組んでいくそうです。

 

 

・株式会社REJECT 執行役員事業統括本部長 塚本陽一 様

株式会社REJECT 新規事業開発室長 兼 事業統括本部営業部長 野山 嶺 様

REJECTは、eスポーツチームから新規事業として派生した会社です。「人生を彩るeスポーツ体験を提供し、世界に誇れる産業を創る」というミッションを掲げており、eスポーツチームの運営をはじめとし、新たなゲームカルチャーやコミュニティを展開しています。

様々な企業がメタバースに対して利用促進などの悩みを抱える中、人気のある「フォートナイト」をメタバースプラットフォームとして活用するなど、REJECTの保有するアセットを活用することで、各企業の悩みにアプローチされています。今後は、メタバースをマーケティング課題や目的に対して本質的な解決へと活用させていきたいとおっしゃっていました。REJECTさんは、web3に対して面白そうだからやってみるという価値観だけではなく、実際に筑波大学などの大学とも共同研究していきながらビジネス、マーケティングに落とし込むにはどうすべきかを考えていらっしゃっている点が印象的でした。

 

 

メタバースはまだまだ遠い物だというイメージがありましたが、地方創生やeスポーツなどの様々な領域から徐々に広がってきているとわかりました。パネルディスカッションでは、VRゴーグル(ヘッドセット)で体験するか、スマホで体験するかの議論がされていましたが、やはり普及率を高めるにあたってスマホ一つで体験できることはかなり大きなポイントであると感じました。私自身もゼミの研究や授業でVRゴーグルの使いづらさや現実との乖離を体験し、まだまだメタバースの質向上の可能性を感じていました。現実とVR空間それぞれの良さを崩さないような体験ができるといいなと思いました。また、VTuberのお話やNFTアートのねぶた祭りついて今回初めてお聞きし、初めは本当にそれを買ったり見に行ったりする人はいるのかと疑問に感じていたのですが、例えばねぶたという伝統的で代替不可能な作品を、残すことができるというのは希少性が高いからこそ今後より価値が高まるのではないかと思いました。印象に残ったのはさわえみか様が、「現実世界の延長線上でメタバースにアイデンティティを持っている人と、メタバースでビジネスをおこそうとしている人の間で溝がある」と仰っていたことです。どちらの側もお互いを閉ざすことなく、いいとこ取りしていくことが重要で、web2web3を分けずにどちらも受け入れられる必要があると感じました。この先どのようにメタバースが広まっていくのか、注目していきたいです。

 

講演参加に至り、講演者の方々、また運営関係者の各様に感謝申し上げ、報告レポートといたします。

“新しい時代の経営”を伴走します|青山Hicon

いま、時代が大きく変わる潮目にあります。
マスからネットへとメディアの主役が変わり、情報の流れが変わりました。AIやロボットは進化を続け、言語の壁や距離の遠さを越えてコミュニケーションができるようになりました。商品やサービスの企画、市場の設定、プロモーション戦略、何もかもがかつての経営論では太刀打ちできません。

この時代の経営者は、「グローバルな視点」と「文化」を軸にした戦略が必要と言えるでしょう。よろしければ私達と一緒に始めてみませんか。

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