第47回次世代小売流通研究会 Next Retail Labフォーラム開催

ベータ・ジャパン株式会社
CEO 北川 卓司様登壇
「b8taが日本に持ち込んだRaaSは定着していくのか?」
イベント:2022年5月26日

青山学院大学経営学部経営学科 4年関口美生菜

今回参加させて頂いたのは、ベータ・ジャパン株式会社のCEOをされている北川 卓司様によるご講演です。
ご講演は以下のような内容でした。
・体験型ストアb8taとは?
・b8ta Japan独立について
・渋谷は?
・新店舗の概要・新しい取り組み

 

1. 体験型ストアb8taとは?
貴社は「リテールを通じて人々に新たな”発見”をもたらす」ことをMissionに掲げ、様々な事業を展開しています。
b8taは2015年にサンフランシスコで創業し、オフラインの出品をオンラインのEC店舗に出品するのと同様に、気軽に、早く、安価にを実現するプラットフォームを持っています。
・b8taが日本に持ち込んだRaaSとは?
店内を区切り、その出店区画を商品やサービスをオフラインで出品したい人に向けて、月額制で販売するビジネスモデル。実際に来店されたお客様には、偶然の出会いを楽しんでいただこうということをコンセプトに、新しい体験と発見を提供している。また、AIカメラやデモグラフィックカメラを用いて、来店される顧客の行動データを一元管理し、そのデータ提供も行なっています。

2. b8ta Japan独立について
2019年11月にb8ta Japanを設立、翌年8月には新宿・有楽町に店舗オープンを果たし、コロナ禍でも順調に事業拡大をしています。国内だけでなくアジア進出を目指し、現在は資金調達を行っています。また、国内で多店舗展開を実現しているのはb8ta Japanのみであり、その点が貴社の強みとして挙げられます。

3. 渋谷は?
渋谷の店舗はより進化した体験型ストアを見据えた「実証実験店舗b8ta 1.5」というコンセプトで立ち上げられました。このコンセプトを元に、五感に訴えかけることを目的に、食品カテゴリーの拡充やカフェカウンターの設置による試飲試食の新たな体験を提供しました。また、独自のアプリを用いたデータ取得や店前通行量の把握を行い、新たなデータ取得方法にも試みました。その他には、可動式什器による大胆なディスプレイ変更や自由に色が変わる照明などフレキシブルな展示エリア、イベントスペースの提供にも試みました。

4. 新店舗の概要・新しい取り組み
新店舗として、越谷レイクタウンという立地を選びました。この立地を選んだ理由は商圏人口の多さ、都内店舗との来店客層の違い、店前交通量が高いの立地、スターバックス様の同日オープンにより新たな顧客獲得の可能性、都心からのアクセスなどが挙げられ、ファミリー層という新たなお客様ポートフォリオの獲得も目指しています。新店舗の は「4th Place」というコンセプトの元、「都市の中庭、出会いのグリッド」をイメージした設計になっています。店舗内には、ライブキッチンスペースや、スターバックス様との共同イベントスペースや自由にレイアウト可能な組み換え式什器なども設置しており、既存の3店舗からえた学びを活かした店作りを行なっています。他店舗との差別化としては、キッチン家電を実際に利用し、調理可能なライブキッチンスペースの設置や、提携したRentio株式会社経由で気に入った調理家電やその他家電をその場でレンタル可能なサービスの提供、4つのイベントスペースを設置している点が挙げられる。

RaaSは日本で定着していくのか?
→オンラインとオフラインの垣根はより無くなり、RaaSというビジネスモデルが定着していくのではないかと考えられる。そして、多くのカテゴリーの商品を取り揃えた店舗よりカテゴリーごとの商品を取り揃えた店舗が増えていくのではないかと北川様は予測されていました。また、店舗内で得たデータをどのように個人情報と結び付けていくかが今後のチャレンジになってくると仰られていました。

 

 

最近、「売らない店舗」が次々とオープンし、社会的に話題になっている店舗形態であり、その話題となっている売らない店舗を経営している方のお話はとても興味深い内容が多くありました。貴社のサービスを利用する企業にとって、最小の投資で有益性が高い顧客の購買行動データを収集できることはとても大きなメリットであり、またこのサービスを利用、体験する生活者にとっても新たな出会いや新たな体験をすることができ、クライアントと来店客の双方に利益をもたらすこのビジネスモデルは、今後より普及、定着していくのではないかと感じました。以前まで、店舗内の顧客行動データは可視化されていませんでしたが、貴社の様に店舗内の顧客行動データを収集し、そのデータを分析することでより良い店づくりを可能にし、また来店客においても消費行動における体験が更にアップデートしていくのではないかと感じ、今後のリテール業界がどのように変革していくのか興味を持ちました。
講演参加に至り、講演者の北川様、また運営関係者の各様に感謝申し上げ、報告レポートと致します。

“新しい時代の経営”を伴走します|青山Hicon

いま、時代が大きく変わる潮目にあります。
マスからネットへとメディアの主役が変わり、情報の流れが変わりました。AIやロボットは進化を続け、言語の壁や距離の遠さを越えてコミュニケーションができるようになりました。商品やサービスの企画、市場の設定、プロモーション戦略、何もかもがかつての経営論では太刀打ちできません。

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